りんごの接ぎ木をしました

よくお客様から「このりんごの種を畑に播いたら美味しいりんごが収穫できるの??」と聞かれます。

答えは・・・

「残念ながら実はできたとしても美味しい実にはなりません。」と毎回お答えしています。

 

どうしてこんな話をするかというと本日のテーマと関わってくる話だからなんです!

りんごをはじめ多くの果樹、さらにもっと言えばスーパーで売っている野菜の多くもF1品種(交配種)といって美味しい品種と病気に強い作り易い品種を掛け合わせた品種です。

例えば品種名でいうとサンふじ(りんご)、佐藤錦(さくらんぼ)、シャインマスカット(ぶどう)、あかつき(もも)、桃太郎(トマト)、耐病総太り(大根)など挙げるとキリがないほど、青果物の多くがF1品種となっています。

この反対が固定種といって果樹ではまずほとんどありません。野菜だと地域で昔から伝統的に栽培されている野菜(例えば、松本一本ネギ(長野県)、野沢菜(長野県)、すくなカボチャ(岐阜県)など昭和以前から栽培されてきた野菜)が固定種になります。

このF1品種と固定種の最大の違いは、「親から種を採取してその種を播いたときに、子が親と同じ品質の青果物が収穫できるかできないか」です。要するに買った青果物(りんごやスイカなど)の種を畑に播いてそこからできた青果物が買った青果物と同じ姿、同じ味になるかということです。

固定種の場合は、品種改良という言葉が無かった時代から現代まで受け継がれて栽培されているように親から採取した種を播いても子は同じ姿、同じ味になり、品質が「固定」されています。

一方、F1品種の場合は親から採取した種を播くと子は、姿形や味が親と違ったもの(大抵の場合食用には適さない)ができてしまいます。そのためF1品種は固定種と違って、種での繁殖はできません。

では、どうやってりんごやぶどうの樹を増やしていくのか。

ここでようやく今日の本題に入れます。前置きが長くなりすみません💦

 

F1品種の野菜の場合は多くは毎年種や苗を種苗屋さんから購入して栽培している農家さんがほとんどです。

もちろん果樹の場合でも専門の苗木屋さんから苗を購入したりもします。当園でも今年は20本ほど購入しました。

しかし、面積を多く栽培しており、一度に何十本も植えるりんご、樹の寿命が短く10年ほどで植え替えるももはその都度苗木を購入していると苗木代が高額になってしまいます。

そこで、「接ぎ木」をして苗木を自家生産します。

簡単に手順を説明すると・・・

①増やしたい品種の枝(穂木)を斜めに削る

②台木(病気に強い、作り易い品種)に切れ込みを入れ①の枝を挿す。

③乾燥、動かないように専用のテープで巻く。

と文章にすると簡単そうですが、うまく穂木と台木が密着してくれないと穂木が枯れてしまい芽が出てきません。

りんごの場合は成功率8割ほど高いんですが、ももは一昨年20本接ぎ木して成功率0と全滅でした。

今年はりんご50本、もも20本、さくらんぼ15本を接ぎ木しました。

さて、何割成功するか今からドキドキです。夏になると成功していれば穂木から芽が吹き出します。

またブログで結果発表しますね。

 

※種苗法により自家生産が禁じられている品種もあります。当園では自家生産が許可されている品種のみ接ぎ木による自家生産を行っています。

 

 


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